「自社が提供する価値×顧客が欲しい価値」のズレをなくす!バリュープロポジションキャンバスの使い方

こんにちは、FitDesign株式会社の代表・中川 岬です。

FitDesignでは、お客さんのWebサイト制作やSNS運用をお手伝いする際、「この商品・サービスの本当の価値は何か」という見極め・整理に一番時間をかけます。 なぜなら、ここがズレていると、どんなに素敵なWebサイトを作ったとしても、ターゲットにまったく響かないものになってしまうからです。

「うちの商品の良いところは、〇〇に決まってるじゃん!」

売り手側から見ると、当たり前に回答できることかもしれません。しかし、ここに落とし穴があります。

例えば、ある喫茶店のマスターは、自分のお店の価値を「こだわりのおいしいコーヒーが飲めること」だと考えていました。しかし、実は顧客にとっては、「ゆっくりとタバコが吸える場所」としての価値のほうが遥かに大きかった..ということはビジネスにおいて非常によくある話です。

これは、お客さんの属性(会社員・昼休み・喫煙者など)をよく観察することで初めて見えてくる「真実」です。 このように、企業が想定している提供価値と、顧客が本当に求めているニーズのズレをロジカルに分析し、より商品・サービスを尖らせることができるのが、今回解説する「バリュープロポジションキャンバス」です。

バリュープロポジションキャンバスとは?

顧客のニーズ、商品の価値を「両側」から可視化する

バリュープロポジションキャンバスは、自社の「製品・サービス」とターゲット顧客の「ニーズ」がどのように噛み合っているかを可視化するために使います。

  • 右側:ターゲット顧客の「本音・求めること」
  • 左側:製品・サービスの「提供できる価値」

右側:ターゲット顧客の「本音・求めること」

ここでは徹底的に顧客目線で考えます!

  • 顧客が実現したいこと: 顧客が日々の生活や仕事の中で「こうしたい」「こうなりたい」と考えている目的のことです。「おしゃれな腕時計が欲しい」といった具体的な行動だけでなく、「周りから仕事ができる人だと思われたい」「かっこいいと思われたい」といった、心の中にある本当の動機も含みます。
  • 顧客のストレス: 目的を達成しようとする時に、顧客の目の前に立ちはだかる課題やリスク、面倒くさいと感じるネガティブなことです。
  • 顧客が手に入れたい理想: 目的が達成された時に、顧客が得られる満足感やプラスの結果のことです。

左側:製品・サービスの「提供できる価値」

ここでは自社の武器を書き出します!

  • 製品・サービス 価値の土台となる、あなたが提供する具体的な商品、サービスそのもののことです。
  • ストレスを解消する要素: 顧客が抱えている「現状の悩みや不安」を、自社の商品やサービスによって、どのように和らげ、取り除いてあげられるかを書きます。
  • 理想を叶える要素: 顧客が「手に入れたい理想」を、どのようなアプローチで実現し、期待以上の満足(プラスの喜び)を届けるのかを書きます。

顧客のニーズと商品の価値が、ガチッと噛み合っているか

  • 自社の [ストレスを解消する要素] が、顧客の [現状の悩みや不安] をちゃんと消せているか?
  • 自社の [理想を叶える要素] が、顧客の [手に入れたい理想] をちゃんと満たせているか?

この2つの矢印がガチッと噛み合うことこそが、売れる商品・サービス(=バリュープロポジション)の正体です。

バリュープロポジションキャンバスを作る3つのメリット

自社と顧客の「認識のズレ」を発見できる
「良かれと思ってアピールしていたこと」が、実は顧客の求めていることとズレていた、といった発見ができます。

隠れた顧客ニーズを新たに発見できる
顧客の行動を深く観察することで、自分たちも気づいていなかった商品の新しい用途や価値に気づけます。

商品改善や正しい差別化の軸ができる
売上をUPするために「どこを強化すべきか(あるいはどこを捨てるべきか)」の判断基準が明確になります。

【実践】喫茶店のマスターはどうやって「真実の価値」に気づいたか?

では、冒頭に挙げた「喫茶店のマスター」を例に、バリュープロポジションキャンバスを使ってどのように喫茶店の価値を整理したのか、具体的なステップを見ていきましょう。

ステップ1:顧客の「実際の行動」から右側を埋める

マスターは当初、「おいしいコーヒーで一息つきたい顧客」を想像していましたが、もう一度店内の顧客をよく観察しました。

顧客が手に入れたい理想 「気兼ねなく煙をくゆらせ、頭をパッと切り替えて次の仕事に向かえること」
顧客が実現したいこと 「仕事の合間に、誰にも邪魔されずに一服してリフレッシュしたい」 (※席につくなりメニューも見ずにタバコを取り出す行動などから分析)
顧客のストレス: 「街の禁煙化が進み、歩きタバコもダメ。安心して吸える場所が激減してストレスが溜まる」

ステップ2:マスターが元々考えていた左側を並べる

ここに、マスターが自慢に思っていたお店の要素を書き出して、右側と照らし合わせます。

製品・サービス ブルーマウンテンなど豊富な豆のラインナップ
ストレスを解消する要素 自家焙煎コーヒー
理想を叶える要素 注文を受けてから丁寧にハンドドリップで淹れる技術

ステップ3:左右を突き合わせ、「ズレ」に気づく(検証)

ここでマスターは愕然とします。 顧客が最も深刻に抱えているペイン(タバコを吸う場所がなくて死にそう)を、自慢の「ハンドドリップの技術」や「豊富な豆のラインナップ」は解決していなかったのです。コーヒーは主役ではなく、「タバコを吸う時間のお供」という存在だったことに気づきます。

ステップ4:価値ある差別化へリポジショニングする

ズレに気づいたマスターは、左側の提供価値を顧客のニーズへガチッと適合(フィット)させました。

製品・サービス: 「全席喫煙可(強力換気)」×「タバコの味を邪魔しないスッキリブレンド」
ストレスを解消する要素 紙・電子タバコ両対応の席配置、ビジネス用のコンセント完備(彷徨う喫煙ビジネスパーソンのストレスを完全解消)
理想を叶える要素 周りに気を遣わず、堂々とリフレッシュできる快適なサボり空間の提供

これにより、近隣にある「禁煙のおしゃれなカフェ」とは全く違う軸で、「喫煙ビジネスパーソンが一番落ち着ける聖地」という強力な差別化が完成したのです。

作成したバリュープロポジションをビジネスに活かす方法

では、「タバコを吸える場所」が大きな価値となっていることに気づいたマスターは、具体的に何をすべきでしょうか。

店頭看板に「全席喫煙可」と大きく表示

「全席喫煙可」「タバコ吸えます」を一番目立つフォントで看板に出します。「紙タバコ・電子タバコOK」「紙タバコ専用ブースあり」など、どこまで吸えるかも明記すると入店ハードルが下がります。

Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)の更新

属性情報の「喫煙可 / 喫煙スペースあり」にチェックを入れます。店舗写真に「喫煙している風景」や「灰皿が設置されたテーブル」を追加します(Googleマップで「喫煙 カフェ」で検索するサラリーマンが激増しているため、超重要です)。

全席(または一部席)にコンセント・Free Wi-Fiを設置

全席(または一部席)にコンセント・Free Wi-Fiを設置します。「タバコを吸いながら、スマホでメールチェックや仕事の整理ができる環境」を整えます。

におい消しスプレー(ファブリーズ等)を設置

におい消しスプレー(ファブリーズ等)を会計横やトイレに設置して、喫煙後もニオイを気にすることなくオフィスに戻れるように配慮。

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\顧客に「刺さる」マーケティングを、ここから。 /

バリュープロポジションキャンバスは、自分たちの思い込みを捨て、「顧客のリアルな本音」を冷静に見つめ直すためのツールです。

  • 「良い商品・サービスなのに、なぜか思うように売れない」
  • 「Webサイトを作ったけれど、問い合わせや反応が薄い」

もしそう感じているなら、自社がアピールしたい価値と、顧客が求めている価値の間に「小さなズレ」が生じているのかもしれません。

FitDesignでは、こうした本質的な強みの言語化(整理)から、それをターゲットへ確実に届けるWebサイト制作・マーケティング支援を行っています。

「うちの本当の価値ってなんだろう?」「ズレを解消して成果を伸ばしたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください!

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