「認知」なくして売上なし!事業を底上げする「認知拡大・戦略立案6ステップ」

こんにちは、FitDesign株式会社の代表・中川 岬です。

ビジネスにおいての「認知」つまり「知られること」について解説していきます。

このテーマを書こうと思ったのは、私が今通っているジムがきっかけです。2年前に引っ越してきたときに、ジムを探していました。Googleマップを見ても一番近いジムは隣駅。徒歩で通えるところを探していましたが見つからず、ふらっとドラッグストアに買い物に行ったときに、となりに施設があるのを見つけました。看板を見ても何かわからず、スマホで調べたらジムでした。

そうです。わたしは家から徒歩5分の距離にジムがあるにもかかわらず、まったく見つけることができなかったのです。これは、そのジムの宣伝不足だと思いますね。笑 もったいないですよね。

今の日本では、莫大な広告費さえ投下すれば、日本国民ほぼ全員の認知を取れると言われています。しかし、それだけの広告費を用意できる企業はごく一部です。だからこそ、自社の[業態・規模感・ターゲット]を整理し、いかに効率よく認知を獲得するかという「戦略」が重要になります。

今回は、認知戦略を立てる上で押さえておきたい考え方を、わたしの経験を交えながら紹介します。

そもそも「認知」とは何か

マーケティングにおける「認知」とは、潜在顧客が自社の商品・サービスの存在を知ることです。

一般的に知られていない商品・サービスは、まず潜在顧客に認知してもらうことがスタートになります。たとえば、洗濯洗剤の新商品をお昼のテレビCMに流すのは、大きく認知を獲得するための手法ですね。

購買行動は、一般的に次のようなフェーズを進みます。

  1. 認知:商品・サービスの存在を知る
  2. 興味・関心:もっと知りたいと思う
  3. 検討:購入候補として比較する
  4. 購入:実際に選ばれる

フェーズが進むごとに、対象となる人数は絞り込まれます。
だからこそ、入り口である「認知」の大きさが、その後すべてのフェーズの母数となります。

「認知」には2つの種類がある

認知には大きく分けて2種類あります。

純粋想起(じゅんすいそうき):
「ハンバーガーショップといえば、どの店を思い出しますか?」何のヒントもなしに、ブランド名を思い出せる状態。

助成想起(じょせいそうき):
写真やロゴを見せられたときに「あ、知ってる」と分かる状態。

純粋想起が高い状態 =「お腹が空いた」「服が欲しい」。ニーズが発生したときに、最初に選択肢として脳内に浮かぶ状態です。ECサイト・店舗への直接来店に繋がりやすく、競合との価格競争に巻き込まれにくい「強い状態」です。

助成想起が高い(が純粋想起は低い)状態 =「店頭での比較検討(見つけ買い)」に強いです。ニーズ発生時には思い出されないが、スーパーの棚やWeb広告、SNSでロゴや商品を見た瞬間に「あ、これ知ってる」と認識されます。

「認知度」が上がるとどんなメリットがある?

認知度が高まることは、ビジネスチャンスの底上げです。

◎ 売上アップ:商品・サービスが多くの人の目に留まり、問い合わせや購買が増加します。

◎ ブランド力の向上:信頼を獲得し、指名検索が増えることで、広告のコストパフォーマンスが改善します。

◎ 人材確保のしやすさ:知名度が高いほど求職者の関心を引きやすくなります。採用活動にも好影響です。

◎ ビジネスネットワークの拡大:取引先や協業パートナーとの関係構築がスムーズになり、新たなビジネスチャンスが生まれます。

「認知度」が伸び悩む企業に共通する3つの原因

認知度向上の施策に取り組んでいても成果が出ない場合、次の3つのいずれかに当てはまっていることが多いです。

△ 自社の強み・提供価値が明確になっていない
  └ 刺さるキャッチフレーズは用意できていますか。

△ ターゲットに合った発信チャネルを選べていない

  └ 発信している媒体にターゲットはいますか。

△ 施策の効果測定と改善サイクルが回っていない

  └ 1回だけで成功するのは難しいです。

これらを一つずつ潰していくことが、そのまま戦略立案のステップになります。

認知の戦略、立て方の6ステップ

オープンしたての総合フィットネスジムを例に、具体的に解説していきます。

【ステップ1】数値の「中間目標」を設定する

認知施策は「なんとなく」で終わらせないことが重要です。「中間目標」を設定して数値で明らかにしましょう。

例:

ブランド認知率(調査ベース)「近隣3km圏内在住者のうち、ジムAの名前を知っている人の割合」を、オープン前後でアンケート調査
リーチ数・インプレッション数オープン告知の折込チラシ配布数、Instagram/Google広告のインプレッション数
SNSでの言及数・エンゲージメント数Instagramの「#ジムA」投稿数、オープニングイベントの来場者投稿・タグ付け数
指名検索数Googleで「ジムA」「ジムA 口コミ」と検索される回数の推移(Googleサーチコンソール等で計測)

さらに、期間とゴール数値まで決めましょう。

「オープン前後3ヶ月間で、商圏内認知率を10%→35%に引き上げる」「指名検索数を月間200件まで伸ばす」のように、期間と具体的な数値まで設定しておくと、施策後に「成功だったか」を判断できるようになります。

【ステップ2】ターゲットを定義する

「誰に知ってもらいたいのか」を具体化します。

年齢・性別・居住地といった属性情報だけでなく、価値観やライフスタイル、悩みや行動傾向、どんなメディアに日常的に触れているかまで具体化します。
(このようにひとりの人物像をイメージしたものをペルソナと言います。)

たとえば、

子育てが一段落し、平日の夜に自分の時間が持てるようになった48歳女性。
家でも職場でもない、気の合う仲間と話せる場所を探している。
ダイエット目的というよりは、体を動かすこと自体を楽しみたい。ヨガ教室のような、ゆるやかなコミュニティに惹かれる。

のように、生活行動まで具体化してみましょう。ここまで解像度を上げると、後の発信内容やチャネル選びがしやすくなります。

【ステップ3】市場・競合分析を行う

競合がどんな認知施策をしているか、市場内でどのポジションが空いているかを調査します。

ジムAの場合、まず直接競合として近隣のフィットネスジムやスポーツクラブをリストアップします。

加えて、このペルソナは「サードプレイス」を求めているため、間接競合としてヨガスタジオ、地域のカルチャーセンター、公民館のサークル活動、ウォーキンググループなども視野に入れましょう。

比較軸としては、価格帯・立地・営業時間だけでなく、「コミュニティ感」「初心者への心理的ハードルの低さ」「年齢層の近い会員がいるか」といった軸で情報を整理します。たとえば横軸に「価格帯の高さ」、縦軸に「交流・コミュニティ色の強さ」にポジショニングマップをつくると、多くの周辺ジムが「安さ」や「本格的なトレーニング」を謳っている中、「40〜50代女性が気兼ねなく通えるジム」という空白ポジションが見えてくることがあります。

この分析結果から、ジムAのウリを1文で表します。

「家庭でも職場でもない居場所を求める40〜50代女性に対して、気軽に始められて顔なじみができる運動体験を、少人数制グループレッスンという方法で提供する」

このように定義しておくと、次のステップで作るメッセージの軸がぶれなくなります。

【ステップ4】メッセージを設計する

ステップ3で定義したウリを、ターゲットに刺さる言葉やビジュアルへと落とし込みます。

ペルソナにとって、ジムは家庭・職場でもない安心して過ごせるサードプレイスです。

「痩せるため」「健康のため」だけを訴求すると強すぎます。むしろ「通うのが楽しい」「顔なじみができる」「笑いながら汗をかける」といった、交流や楽しさを軸にしたメッセージのほうが響きます。

バナーやチラシに登場する「会員さん」のイメージも重要です。上記ターゲットを狙うなら、ガチムチマッチョは登場させてはいけません。

これがズレると、どれだけ広告費をかけても、ターゲットに響きません。逆に、メッセージが的確であれば、少ない接触回数でも強く印象に残ります。

【ステップ5】チャネルを選定し、施策を実行する

ターゲットの生活動線に合わせて、媒体を組み合わせます。このペルソナには、広告よりも口コミや紹介、地域コミュニティ内での評判が強く効きます。

  • 体験設計:無料体験会、女性限定の交流イベントなど、「参加すること自体が楽しい」入り口を用意する
  • Instagram:数字や機能訴求ではなく、参加者の笑顔や交流シーンを見せる写真・動画中心の投稿
  • 地域の口コミサイト・ポスティング・地域情報誌:このペルソナは広告よりも「近所の評判」を重視するため、地域密着型のメディアとの相性が良い
  • 紹介制度:既存会員が友人を誘いやすいよう、紹介特典を用意する

認知施策では基本的に「接触面の広さ」が重要ですが、このペルソナに関しては広く浅くよりも、地域内での「評判の濃さ」を作る複数のメディアを組み合わせ(口コミ+LINE+Instagram+地域情報誌)が良いでしょう。

【ステップ6】効果を測定し、改善サイクルを回す

施策を実行したら、「どれだけ知られるようになったのか」を客観的に評価しましょう。

ジムAであれば、次のような指標が使えます。

◎ アンケート調査:商圏内(3km圏内)の40〜50代女性を対象に、ジムAの認知率を調査

◎ 無料体験会・イベントへの参加数:認知が実際の行動につながっているかを測る

◎ LINE公式アカウントの友だち数・Instagramのフォロワー数・エンゲージメント率:SNS上での認知・関心の広がりを測る

◎ 紹介経由の入会数:口コミの効果を定量的に把握する

◎ 指名検索数:「ジムA」の検索ボリュームの推移

効果の高い施策は強化し、効果の低い施策は見直しましょう。たとえば「Instagramより口コミ紹介のほうが入会に直結している」と分かれば、紹介特典を強化する、といった具合です。

戦略を継続的に改良していくことが、大切です。

まとめ

認知は、その後のすべてのフェーズの母数を決める重要な「入り口」です。オープンしたてのフィットネスジムAにとっても、闇雲に広告を出すのではなく、次の6ステップに沿った戦略設計が欠かせません。

  1. 目的と中間目標を設定する
  2. ターゲットを定義する
  3. 市場・競合分析する
  4. ポジショニング・メッセージ設計をする
  5. チャネル選定と施策の実行
  6. 効果測定と改善

限られた予算と労力の中でも、この順番を意識するだけで、認知獲得の効率は大きく変わってきます。ぜひ、参考にしてみてください!

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